インプラントは、複数のパーツで構成されていて、そのうちの1つがアバットメントです。

こちらは、歯茎の中に埋め込まれるインプラント体の上部に取り付けられる部品で、さまざまな役割を担っています。

今回は、インプラントのアバットメントにおける主な役割について解説します。

インプラント体を目立たなくする

アバットメントは、インプラント体(人工歯根)を目立たなくするという重要な役割を担っています。

インプラント体は金属的な銀色をしています。

具体的には、チタンの色そのまま、もしくは防錆処理などが施された関係で銀色になっているため、何かの拍子で外から見えると、審美性に支障が生じます。

アバットメントがあれば、インプラント体を隠すことができ、より美しい口元に見せられるようになります。

特に、ジルコニアなどの色味が目立たない素材のインプラントを選ぶことにより、審美性はより高くなることが期待できます。

インプラント体と上部構造を連結する

アバットメントとインプラント体は、ネジで固定されていて、締め具合によって上部構造とインプラント体の距離を微調整することができます。

もちろん、アバットメントがなければ、インプラント体と上部構造を連結させることはできません。

また、アバットメントとインプラント体、上部構造は、それぞれ専用の器具を用いれば、簡単に取り外すことができます。

つまり、アバットメントは、完全に固定されているものではなく、必要に応じて固定と着脱が可能なパーツだということです。

インプラント体の傾きを補正する

インプラント体は、顎の骨に埋入するため、角度調整に制限があり、傾いてしまうことがあります。

先ほど、アバットメントは、上部構造とインプラント体の距離を微調整できるという話をしましたが、このように傾いてしまった場合に、傾きを細かく補正し、上部構造を理想的な角度で被せる役割も果たします。

ちなみに、アバットメントで角度を調整できるということは、適切な角度で噛む力が加わるため、インプラント体と上部構造を保護することにもつながるということです。

まとめ

ここまで、インプラントにおけるアバットメントの主な役割について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

アバットメントは、単に上部構造とインプラント体をつなぐだけでなく、見た目を美しくしたり、何か問題が発生したときに機能したりするパーツです。

また、こちらには種類もいくつかあるため、どれを採用するのかについては、歯科クリニックへの相談のもと、慎重に決定してください。