【祖師ヶ谷大蔵の歯医者】子どもの歯に見られる癒合歯について
- 2024年4月25日
- 小児歯科
乳歯の生え始めや生え変わりの際、親御さんは歯の見た目をしっかりチェックしなければいけません。
なぜなら、歯の形状や大きさなどに異常が見られる可能性があるからです。
また、子どもの歯に見られる異常の一つに、癒合歯というものがあります。
今回は、癒合歯の概要や主な原因、リスクなどについて解説します。
癒合歯の概要
癒合歯は、本来2本で生えてくるはずの歯が1本で生えてくるというものです。
正確には、歯の神経ごと1つになっているものを癒合歯、歯の神経だけ別になっているものを癒着歯といいます。
癒合歯が発生する可能性はかなり低く、乳歯で3~4%、永久歯で0.3%程度です。
また、癒合歯は前歯の目立つ部分に見られるケースが多いです。
そのため、生え変わりの瞬間をよく見ていれば、発生に気付くことができる可能性が高いです。
癒合歯が発生する原因
子どもの癒合歯が発生する原因は、歯胚が何らかの原因でくっつくことです。
顎の骨の中には、歯胚というやがて歯になる卵のようなものがあります。
こちらが最終的には歯の形に成長し、口内に生えてきます。
しかし、お母さんのお腹の中にいるときにくっついてしまうと、そのまま2本がくっついた状態で口内に出現します。
ちなみに、なぜ歯胚がくっつくのかについては明らかになっていません。
確実に言えることは、後天的ではなく先天的なものであるということです。
つまり、子どもに癒合歯が合ったとしても、親御さんには責任がないということです。
そのため、親御さんに癒合歯があっても、子どもに癒合歯が見られるとは限りません。
癒合歯があることによるリスク
子どもに癒合歯が見られる場合、虫歯のリスクが高まります。
癒合している境目は溝になっているため、プラークが溜まりやすくなり、虫歯を誘発します。
また、癒合歯があると生え変わる永久歯の本数が減ることもあります。
そのため、歯並びにも影響が出てきます。
さらに、乳歯に癒合歯が見られる場合、永久歯の生え変わりを阻害することも考えられます。
癒合歯は2本くっついているため、他の歯のように歯根が吸収されず、自然に抜けることが難しいケースがあります。
まとめ
子どもの癒合歯は、虫歯や生え変わりにおけるリスクを高めるものです。
そのため、歯科クリニックで適切な処置を受ける必要があります。
乳歯の場合は、フッ素塗布やシーラントなどにより、虫歯予防のための処置を取ります。
根本的な治療は基本的に行いません。
また、永久歯の場合は矯正治療を行ったり、歯を削って小さく整えたりといった治療法が用いられることがあります。