審美歯科治療で使用されるクラウンやインレーは、大きく保健診療のもの、自由診療のものに分けられます。

一般的に、自由診療の方が費用は高く、その分品質も良いというイメージがありますが、保健診療の補綴物にも優れたものはあります。

今回は、CAD/CAM冠のメリット・デメリットについて解説します。

CAD/CAM冠の概要

CAD/CAM(キャドキャム)冠とは、コンピューターを駆使してデザイン、製作を行う補綴物のことをいいます。

CAD/CAMは、Computer aided design/Computer aided manufactureの略です。

従来のクラウンやインレーは、すべて歯科技工士の手作業で作製されていました。

CAD/CAM冠は、コンピューター上で模型をスキャンし、歯の形状をデザインした後、専用の装置がハイブリッドセラミックのブロックから削り出し、クラウンを作製します。

全国の約7割の歯科クリニックでは、こちらのクラウンを取り扱っています。

CAD/CAM冠のメリット

CAD/CAM冠は、セラミックとプラスチックを合わせたハイブリッドレジンという素材でできています。

プラスチックだけの場合、強い力が加わったときに割れるリスクがありましたが、セラミックと混ぜ合わせることにより、高い強度を実現しています。

また、CAD/CAM冠は、金属を一切使用していないため、金属アレルギーを発症するリスクもありません。

ちなみに、CAD/CAM冠は保険診療の補綴物であるため、価格的にはとてもリーズナブルです。

自費診療のセラミック素材に比べると、強度や審美性は劣りますが、手軽に白い歯を手に入れられるという意味では、非常に価値のあるものだと言えます。

CAD/CAM冠のデメリット

CAD/CAM冠で使用されているハイブリッドレジンは、ある程度の強度や硬度を持った素材ですが、使用しているうちに少しずつ摩耗が生じます。

そのため、歯ぎしりや食いしばりがある方にはあまり向いていません。

また、CAD/CAM冠は、同じ保険診療の被せ物である銀歯と比べて外れやすいです。

その他、セラミック素材と比べて審美性が劣っている上に、最初はツヤがあるものの、だんだんと表面が劣化し、ツヤがなくなっていくこともデメリットです。

そのため、白い歯を長期間使用し続けたいという方は、多少費用をかけてでも、自由診療のクラウンを選ぶべきだと言えます。

まとめ

ここまで、CAD/CAM冠のメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

歯科クリニックでは、今回紹介したCAD/CAM冠以外にも、さまざまな種類の補綴物が用意されています。

また、それぞれメリット・デメリット、適用条件、費用などは異なるため、今後審美歯科治療を受けようと考えている方は、まず各種の特徴を知るところから始めましょう。