【祖師ヶ谷大蔵の歯医者】口腔粘膜疾患の一つである扁平苔癬について
- 2024年1月16日
- 歯科口腔外科
口腔粘膜疾患は、文字通り口内のあらゆる粘膜部分に症状が出現する疾患であり、場合によっては歯科クリニックなどで治療を受けなければいけません。
また、そんな口腔粘膜疾患の一つに、扁平苔癬というものがあります。
今回は、こちらの疾患における概要、主な原因、治療法などについて解説したいと思います。
扁平苔癬の概要
扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは、口腔粘膜に生じた角化異常を伴う難治性の疾患をいいます。
口腔粘膜、特に頬粘膜に病変を形成することが多く、具体的には両側にレース状(網状)の病変が見られます。
糜爛(びらん)や潰瘍を伴うこともあり、こちらは40歳以上の女性が多く発症するものです。
また、扁平苔癬の症状は、白色型と紅色型の2種類に分類されますが、稀に白色病変と紅色病変の両方が混在するケースもあります。
扁平苔癬の主な原因
扁平苔癬の主な原因としては、以下のことが挙げられます。
・金属アレルギー
・口内の汚れ
・ガルバニー電流
・ストレス
・薬剤アレルギー など
銀歯や入れ歯のバネなど、金属に接する粘膜がただれたり、潰瘍ができたりすることで、扁平苔癬を引き起こすケースがあります。
また、単純に口内の清掃が不十分であることや、銀歯などの異なる種類の金属が口内にあることで、電流が生じるガルバニー電流も主な原因です。
ちなみに、ストレスは免疫力を低下させるため、扁平苔癬を悪化させる要因になり、非ステロイド性抗炎症薬などを使用することでも、アレルギー反応として扁平苔癬が出るケースが見られます。
扁平苔癬の治療法
扁平苔癬の治療には、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏などを使用します。
また、歯科用金属によるアレルギーであることが疑われる場合は、原因と思われる詰め物や被せ物を除去しなければいけません。
こちらの治療前には、歯科用の金属アレルギー検査を行います。
ただし、扁平苔癬は難治性であるため、これらの治療を行ったとしても、簡単に治るとは限らず、治療は長期にわたるケースが多いです。
ちなみに、治療を行わなかったとき、自然に治る確率(自然治癒率)は、わずか2~3%程度しかありません。
まとめ
ここまで、扁平苔癬における症状や原因、治療法などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
さまざまな原因で発生すること、そして簡単には治らないということが、扁平苔癬の厄介なところです。
そのため、少しでも口内粘膜の異常を感じたら、最寄りの歯科クリックなどに相談してください。
もしかすると、扁平苔癬以外の疾病を患っている可能性もあります。