【祖師ヶ谷大蔵の歯医者】歯周病とダウン症の関係性とは?
- 2024年3月14日
- 歯周病
歯周病の大きな特徴と言えば、感染していることに気付きにくいことが挙げられます。
こちらは、悪化しやすいと言い換えることもでき、特に“ダウン症”の患者さんは、悪化のリスクが高まるとされています。
今回は、ダウン症の概要、歯周病とダウン症の関係性を中心に解説したいと思います。
ダウン症の概要
ダウン症とは、正式にはダウン症候群と呼ばれるもので、21番目の染色体が3本あるために起こる生まれつきの疾患をいいます。
全般的に発達がゆっくりで、筋緊張の低下や合併症などの症状が見られる傾向にあります。
また、ダウン症には主に3つの種類がありますが、全体の約95%は標準型21トリソミー型が占めています。
こちらは、受精時に偶然起こるもので、両親の染色体に変異は見られません。
歯周病とダウン症の関係性について
ダウン症患者の方は、発達の遅れにより、口内のケアが十分にできないため、歯周病が悪化しやすくなります。
また、歯の根が短い、歯が小さいなど歯の形状に異常があることや、免疫力が低く、歯周病菌に感染しやすいことなど、リスク要因を多く持っていることから、歯周病になりやすい傾向にあります。
そのため、10代で歯周病にかかり、20~30代で重度の歯周病に進行し、歯を失ってしまうというケースも珍しくありません。
ダウン症患者の方の歯周病治療の注意点
ダウン症患者の方は、歯科クリニックでの治療を嫌がることも多いため、親御さんはなるべく早いうちから定期検診、メンテナンスを受けさせ、慣れさせておくことが大切です。
また、ダウン症患者の方は、明るく温厚で人懐っこいことが多いため、歯科クリニックにさえ慣れていれば、歯周病の治療自体は比較的容易にできます。
ただし、治療については、本人からの理解が得られない場合がほとんどであるため、家族の協力が必要です。
ちなみに、ダウン症患者の方の10~30%は、首の骨が不安定であるため、脊髄が圧迫されたり、損傷を受けると手足、感覚などの麻痺が起こったりすることがあります。
そのため、歯科クリニックで治療を受ける際は、きちんとダウン症であることを伝え、顔や首に衝撃を与えないなどの配慮をしてもらわなければいけません。
まとめ
ここまで、歯周病とダウン症の関係性を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ダウン症の方にとって、歯周病はとても身近な病気であり、相性が悪い病気でもあります。
また、感染のリスクが高いだけでなく、重度にまで悪化する可能性も高いため、予防の意味も込めて、定期的に歯科クリニックに通うのは重要なことです。