【祖師ヶ谷大蔵の歯医者】知っておきたいインプラントと天然歯の違い
- 2023年10月14日
- 義歯
インプラントは、失った天然歯をカバーし、咀嚼や発音の利便性、快適性を向上させるものです。
また、入れ歯などに比べて審美性も高いですが、残念ながら天然歯とまったく同じ機能や特徴を持っているというわけではありません。
ここからは、今後治療を受ける方が知っておくべき、インプラントと天然歯の違いを解説します。
歯根膜の有無
歯根膜は、歯根と骨をつないでいる組織で、歯周靭帯とも呼ばれています。
厚さは0.15~0.38mm程度しかありませんが、こちらの膜があるおかけで、歯が簡単に抜けることはありません。
また、歯根膜には知覚神経が存在し、無理な力が加わったとき、本能的に回避する能力が発揮されますが、こちらの機能が噛み合わせの際の力を逃すクッションの役割を果たしています。
しかし、こちらは天然歯のみに存在する組織であり、インプラントには備わっていません。
そのため、噛み合わせに問題がある場合、無理な力がインプラントに直接影響を及ぼすことがあります。
歯肉線維の方向
歯と歯茎は、歯肉線維という組織でくっついています。
天然歯の場合、歯茎の中の結合組織が、セメント質と呼ばれる歯根の部分に入り込んでくっついていますが、インプラントは構造が異なります。
インプラントは、歯肉線維がインプラント体に対して水平に走っているため、歯肉が剥がれやすく、炎症を起こすと進行しやすいという特徴があります。
感染に弱い
先ほども触れたように、インプラントには天然歯に存在する歯根膜がありません。
こちらの歯根膜は、噛み合わせの際のクッションとしての役割だけでなく、周囲の組織に血液を供給し、栄養を補給する役割を果たしています。
そのため、歯根膜がないインプラントは、血液から影響の供給を受けにくいというデメリットがあります。
また、血液供給が少ないということは、好血球の出現が乏しくなるということであり、感染に対する防御力や抵抗力も天然歯より弱くなります。
こちらは、インプラント治療後に発症するインプラント周囲炎を悪化させる原因にもなり得るため、メンテナンスには十分気を遣わなければいけません。
まとめ
ここまで、今後インプラント治療を受ける方に向けて、インプラントと天然歯の主な違いについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
インプラント治療が優れた治療であることは間違いありませんが、天然歯に比べて劣っている部分があるというのも事実です。
もちろん、治療の内容やメンテナンスが正しいものであれば、大きなトラブルが発生する可能性は低いですが、前述した内容は頭に入れておくべきだと言えます。