【祖師ヶ谷大蔵の歯医者】虫歯予防として摂取すべき栄養素“リン”について
- 2023年7月11日
- 虫歯予防
虫歯を予防するにあたって、栄養素を考慮した食事は必要不可欠です。
具体的には、良質のタンパク質やカルシウム、ビタミンA・C・Dなどを積極的に摂取すべきですが、今回解説する“リン”も、虫歯予防には欠かせない栄養素です。
ここからは、リンの概要や虫歯予防効果などについて解説します。
リンの概要
リンは、カルシウムの次に体内に多く存在するミネラルです。
成人の体重の約1%を占めていて、このうち約80%はカルシウムやマグネシウムと結合し、骨や歯を形成します。
また、残りはタンパク質や脂質、糖質などと結合し、細胞膜のリン脂質として、DNAやRNAなどの核酸の構成成分として、あらゆる細胞に存在しています。
その他、脳の働きにもリンは重要で、リン脂質となって脳をつくるために欠かせないミネラルでもあります。
リンの虫歯予防効果について
私たちの口内では、歯を溶かす脱灰と、修復を行う再石灰化が繰り返されています。
脱灰は、虫歯菌がつくり出した酸によって、歯の表面のエナメル質から、カルシウムやリンが溶け出してしまうことです。
再石灰化とは、脱灰によって溶け出したカルシウムやリンが唾液によって再び歯に取り込まれ、歯が元に戻ることを指しています。
つまり、日頃からカルシウムとあわせてリンを摂取しておくことで、再石灰化のための材料が十分蓄えられ、虫歯予防につながるということです。
リンを多く含む食品
リンは以下のような魚介類、穀類、卵類、乳類、豆類などに多く含まれています。
・魚介類:カタクチイワシ、干しエビ、かつお節など
・穀類:玄米、ライ麦パン、ロールパンなど
・卵類:卵黄、うずら卵など
・乳類:パルメザンチーズ、プロセスチーズ、チェダーチーズ、カマンベールチーズなど
・豆類:煎り大豆、きな粉、油揚げなど
このように、リンはさまざまな食品から摂取できるため、意識して摂取することをおすすめします。
ただし、リンの摂りすぎはカルシウムの吸収を妨げます。
そのため、カルシウムとリンの摂取比率は、ほぼ同量が望ましいとされています。
また、リンは加工食品の食品添加物として含まれていることも多いため、摂取しすぎないように注意してください。
まとめ
ここまで、リンの概要や虫歯予防効果、摂取のポイントなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
リンは再石灰化の材料であり、虫歯予防に効果的ですが、その他の栄養素もバランス良く摂取しなければ意味がありません。
そのため、肉、魚、野菜、果物といったさまざまな食品を採り入れ、偏りのない食生活を送ることが求められます。