インプラントは、歯を失った方の多くに選ばれている治療です。

またインプラントの装着を希望する方の中には、「歯があった頃のように食事を摂りたい」と考えている方も多いでしょう。

では、インプラントを装着した状態で、粘着性のあるものは食べても良いのでしょうか?

今回はこちらの点を中心に解説します。

インプラントで粘着性のあるものを食べても良い?

ここでいう粘着性のあるものとは、ガムやキャラメル、お餅やドライフルーツなど歯にくっつきやすいもののことを指しています。

インプラントを装着している状態でも、これらのものを摂取することは可能です。

インプラントの人工歯根は、顎の骨に強力に固定されるため、基本的には粘着性が高いものでも通常通り咀嚼できます。

しかし、インプラントへの負担が大きくなることは間違いありません。

粘着性の高いものはインプラントやその周辺組織にもくっつくため、毎日のように摂取するとわずかながらズレが生じていくことが考えられます。

また粘着性の高いものは、インプラントや周辺の歯茎にプラークとして残りやすいです。

そのため、インプラント周囲炎を発症するリスクも高まります。

仮歯を装着しているときはNG

インプラント治療では、最終的な上部構造を入れる前に、仮歯を入れて様子を見る期間があります。

こちらの仮歯を装着している期間は、粘着性の高いものを摂取してはいけません。

なぜなら、仮歯は簡単に外れるようにできているからです。

仮歯は、あくまで上部構造が出来上がるまで、咬合力や噛み合わせを維持するために装着されるものです。

そのため、ガムやキャラメルなどがくっつくと簡単に外れてしまい、その後の治療計画にも影響が出やすくなります。

インプラント治療直後は避けるべきものが多い

インプラント治療を終えた直後は、できる限りトラブルを防ぐために、粘着性の高いものや以下のものを避けるのが無難です。

・傷を刺激する硬いもの
・刺激が強い香辛料
・熱いもの
・酸味が強いもの
・アルコール など

またインプラント治療直後は麻酔の効果が残っている可能性があるため、術後2～3時間は食事全般を避けるべきです。

まとめ

インプラントは保険診療の詰め物などとは違い、粘着性のあるものを食べたからといって、基本的に外れる心配はありません。

ただし、頻繁に粘着性のあるものを食べていると、少しずつインプラントが劣化する可能性はあります。

また上部構造ではなく、仮歯を入れているだけの状態では、ガムやキャラメルなどの窃取を避けなければいけません。