歯周病予防の基本は、虫歯予防と同じく自宅で行うブラッシングなどのセルフケアです。

しかし、漠然と歯を磨くだけではいけません。

丁寧にブラッシングをすること、そして歯周病予防成分が含まれた歯磨き粉などを使用することが大切です。

今回は、歯周病予防効果のあるイソプロピルメチルフェノールについて解説します。

イソプロピルメチルフェノールの概要

イソプロピルメチルフェノール(IPMP)は、花びらが唇のような形をした唇形科植物の揮発性の主成分であるチモールの異性体です。

低臭・低味性・低刺激という特徴を持っています。

殺菌効果が高いことから、医薬品では軟膏や傷消毒薬、薬用せっけんやハンドソープなどに使用されます。

また歯磨き粉やマウスウォッシュなど、デンタルケア商品にも含まれているケースが多いです。

ちなみにイソプロピルメチルフェノールは急性毒性や皮膚刺激性、粘膜刺激性などがきちんと確認されていて、皮膚への刺激性や炎症性はありません。

長期間または広範囲に使用しないこと、外用にのみ使用することなどの注意点はありますが、非常に安全性の高い成分です。

イソプロピルメチルフェノールの歯周病予防効果

イソプロピルメチルフェノールには、バイオフィルムに浸透し、歯周病菌を退治してくれる役割があります。

歯周病菌は、歯の根の近くに細菌の塊であるバイオフィルムを形成し、その内部に密集して棲みつきます。

こちらのバイオフィルムは、プラークとは違い自宅でのブラッシングではなかなか除去できません。

このときイソプロピルメチルフェノールが含まれる歯磨き粉を使用すれば、バイオフィルムを効果的に除去でき、歯周病の予防につながります。

塩化セチルピリジニウムも含まれる歯磨き粉がおすすめ

歯周病予防ができる歯磨き粉を選ぶ際は、イソプロピルメチルフェノールだけでなく、塩化セチルピリジニウムも含まれている製品がおすすめです。

バイオフィルムのバリアを破り、歯周病菌に作用するのがイソプロピルメチルフェノールですが、歯周病が悪化するとバイオフィルムから細菌が飛び出します。

このように自由に浮遊する歯周病菌に対しては、塩化セチルピリジニウムがよく効きます。

まとめ

歯周病予防に効果のあるイソプロピルメチルフェノールは、歯周病予防のためのブラッシングをより意味のあるものにしてくれます。

また塩化セチルピリジニウムも配合された歯磨き粉を選ぶことで、よりセルフケアによる歯周病予防効果が高まります。

ちなみに、さらに歯周病予防を徹底したいというのであれば、歯科クリニックでの歯石除去なども受ける必要があります。