初めて訪れる歯科クリニックでは、患者さんが問診票に必要な事項を記載します。
こちらは歯科クリニック以外の医療機関にも存在しますが、「なぜ必要なのか?」と考えたことがある方もいるでしょう。
今回は、歯科クリニックで問診票に記載しなければいけない主な理由について解説します。
正確な診断と治療計画の立案
問診票には、歯科医師による正確な診断と治療計画の立案のためにも必要なものです。
問診票には、患者さんの既往歴やアレルギー、服用薬や現在の症状といった治療に必要な情報が記載されます。
歯科医師はこれらの情報をもとに、患者さんの状態を正確に把握し、適切な治療法を選択できます。
逆に問診票がなければ、歯科医師は自らの経験だけで患者さんの状態を把握しなければいけません。
経験豊富な歯科医師であっても、さすがにそのような方法を実践するのは難しいです。
リスクの軽減
治療におけるリスクを軽減させるためにも、歯科クリニックの問診票は必要です。
こちらは既往歴やアレルギー情報を事前に知ることで、治療中の予期せぬトラブルや副作用のリスクを軽減できるからです。
歯科クリニックを訪れる患者さんの中には、虫歯などの疾患以外に全身疾患を患っていることもあります。
例えば糖尿病や心臓病の方は、スムーズに歯科治療を進められないことが考えられます。
さらに血液をサラサラにする薬を飲んでいる方などは、治療時に出血が止まらなくなるおそれがあります。
これらについて事前に把握することで、トラブルの少ない歯科治療を実践しやすくなります。
患者さん自身の状態の把握
歯科クリニックで問診票を書かなければいけない理由には、歯科医師にとって必要なものであるだけでなく、患者さんが自身の状態を把握できることも挙げられます。
問診票は、患者さんが自身の状態を整理し、歯科医師に伝えやすくするツールでもあります。
そのため、記載することで自身の言葉では伝えにくいことを伝えられたり、伝え忘れを防止したりすることが可能です。
もちろん、問診票を書くことによって歯科医師とのコミュニケーションがスムーズになり、診療時間を有効活用することにもつながります。
まとめ
問診票について、「書くのが面倒くさい」「口頭で伝えてはいけないのか」といった不満を持っている方もいるかもしれません。
しかし適切な治療計画の立案やトラブルの防止、患者さん自身の状態の把握のためには、現状問診票という形がベストとされています。
そのため、多少手間はかかりますが、問診票の内容はできる限り正確に記載するようにしましょう。