食物繊維は、人の消化酵素で消化されない食物中の成分の総称です。
主に腸内環境を整える効果や、便秘の予防、血糖値上昇の抑制といった効果があることで知られています。
また食物繊維が豊富な食べ物を摂取することは、歯周病予防にもつながります。
今回はこちらの仕組みを中心に解説します。
食物繊維における歯周病予防効果
食物繊維が豊富な食べ物を摂り入れることにより、咀嚼をする機会が増え、唾液の分泌量が増加します。
唾液には、口の中の細菌を洗い流す自浄作用や抗菌作用があり、歯周病菌の繁殖を抑えてくれる効果があります。
また食物繊維は、物理的に歯の表面に付着した食べカスやプラークを除去する効果もあります。
食物繊維を含む食べ物が、歯の表面を掃除してくれるようなイメージです。
さらに、食物繊維には免疫力を高める効果も期待できます。
歯周病は、歯周病菌に感染することで発症する感染症であるため、免疫力が高まることで発症のリスクはある程度抑えられます。
ちなみに食物繊維が多く含まれる食べ物には、歯茎の健康を維持するのに大切なビタミンやミネラルを豊富に含むものも多いです。
食物繊維が豊富な食べ物
食物繊維が豊富な食べ物としては、野菜や果物、海藻類や豆類、全粒穀物などが挙げられます。
野菜ではニンジンやゴボウ、キャベツやブロッコリーなど、ある程度の歯応えがあるものに多く含まれています。
また果物については、リンゴやオレンジ、キウイフルーツなどから効率的に摂取することが可能です。
さらにワカメや昆布などの海藻類、大豆やきな粉などの豆類も摂取することで、食物繊維の摂取量は多くなります。
ちなみに全粒穀物とは、精白されていない穀物のことをいい、胚芽や胚乳、外皮をすべて含んでいます。
精白された穀物よりも食物繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化物質などが豊富で、歯周病のみならずさまざまな疾患の予防に役立つとされています。
代表的な全粒穀物には玄米や全粒粉パン、ライ麦や押し麦、蕎麦やキヌアなどが挙げられます。
一方普段食べる機会が多い白米やパンなどについては、全粒穀物には含まれません。
まとめ
歯周病は、中高年以降になると発症のリスクがグッと上昇します。
自覚症状はあまりありませんが、悪化すると歯が脱落するおそれもある怖い疾患であるため、普段から予防することを心掛けましょう。
また歯周病予防の方法と言えばやはりブラッシングが挙げられますが、食物繊維をはじめとする豊富な栄養素を摂取することも大切です。
さらに、歯科クリニックで定期的にクリーニングやスケーリングを受けることも重要です。