ホワイトニングを受けようとする方の中には、口内環境が万全でない方もいるかと思います。
例えば歯周病を発症しているにもかかわらず、なるべく早く歯を白くしたいことから、ホワイトニングを強行しようとする方もいるでしょう。
では、歯周病のままホワイトニングを受けた場合、果たしてどうなってしまうのでしょうか?
歯周病のままホワイトニングを受けた場合のデメリット
歯周病の症状が出ている状態でホワイトニングを受けると、症状が悪化する可能性があります。
具体的には、ホワイトニングの薬剤が刺激になり、歯茎の腫れや赤みなどがひどくなることが考えられます。
また歯周病によって歯のエナメル質が失われている場合、薬剤が刺激になって知覚過敏の症状が強く出ることもあります。
知覚過敏になると、熱いものや冷たいもの、甘いものなどがしみるようになり、食事に悪影響を及ぼします。
さらに口内の細菌バランスが崩れていると、ホワイトニング後の歯の再汚染が早まったり、そもそもホワイトニングの効果が出にくかったりします。
歯周病の症状がある場合は先に治療を受けるべき
前述したようなデメリットがあることから、歯周病の症状がある場合はホワイトニングよりも先に歯周病治療を受けるべきです。
歯周病治療として一般的なのは、歯周基本治療と呼ばれるものです。
こちらはブラッシング指導やスケーリング、ルートプレーニングなどが該当します。
ブラッシング指導は、正しいブラッシングの方法を学ぶことで、効果的にプラークを除去できるようにするというものです。
またスケーリングは、歯茎より上の部分の歯石を除去する施術で、ルートプレーニングは歯茎より下の部分の歯石や汚染されたセメント質を除去するものです。
重度の場合は歯周外科治療が必要
重度の歯周病を患っている方は、歯周基本治療だけでなく歯周外科治療も受けなければいけないことがあります。
代表的な歯周外科治療には、フラップ手術や歯周組織再生療法があります。
フラップ手術は、歯茎を切開して開き、歯根に付着した歯石やプラークを直接除去する治療です。
歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯槽骨や歯周組織を再生させるというものです。
まとめ
歯周病の症状があっても、ホワイトニングを受けること自体は可能です。
しかし、強行することでさまざまなデメリットにつながりますし、そもそも歯科医師から歯周病治療を強く進められるケースがほとんどです。
また歯周病患者さんの中には、自身が歯周病を発症していることに気付いていない方もいるため、注意してください。