親知らずは、必ずしも生えてくるとは限りません。
約70~80%の方は親知らずを持っていると言われていますが、言い換えれば約20~30%の方は親知らずが生えてこないということになります。
今回は、親知らずが生えてこない主な原因、生えてこないことのメリット・デメリットについて解説します。
親知らずが生えてこない原因
親知らずが生えてこない方は、遺伝や顎のスペース不足などが原因になっている可能性が高いです。
親知らずの歯胚が形成されない場合、親知らずは生えてきません。
このような現象は遺伝による影響が大きく、両親に親知らずがない場合はその子どもにあたる方も生えないことがあります。
また現代人の顎は、食生活の変化などによって小さくなる傾向にあり、親知らずが生えるための十分なスペースがない場合があります。
このようなケースでは、親知らずが歯茎に埋まったままになることが考えられます。
親知らずが生えてこないことのメリット
親知らずが一切生えてこない場合、まずブラッシングが楽になります。
親知らずは奥歯のさらに奥にある歯であるため、歯ブラシが届きにくく、ブラッシングの際は磨き残しが起こりやすいです。
親知らずがない場合、磨くのは奥歯までで良いため、磨き残しや虫歯、歯周病などを防ぎやすくなります。
また親知らずが生えないことのメリットとしては、抜歯のリスクがないことも挙げられます。
親知らずの抜歯は外科手術が必要になることがあり、術後は腫れや痛みを伴うことが多いです。
親知らずが口内に存在しなければ、このような負担の大きい治療を受ける必要もありません。
親知らずが生えてこないことのデメリット
親知らずが口内に存在しない場合は良いですが、存在するものの歯茎に埋まっている場合はデメリットがあります。
このようなケースでは、隣り合う歯を圧迫して歯並びを悪くしたり、隣の歯の根を溶かしてしまったりすることがあります。
また親知らずが斜めに生えていたり、部分的にしか生えていなかったりする場合、歯ブラシが届きにくく、ブラッシングが面倒になります。
さらに埋伏した親知らずが他の歯を押したり、噛み合わせに影響を与えたりすることで、顎関節症を引き起こすことも考えられます。
まとめ
親知らずは一切生えてこない場合もあれば、すべて生え揃ったり、一部だけ生えてきたりすることもあります。
また親知らずは本来必要な歯ではないため、一切生えてこなくても特に問題はありません。
しかし、歯茎に埋まっている場合や中途半端に生えてきている場合などは、口内環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意してください。