顎関節症は、一度発症するとさまざまな症状におそわれる厄介な疾患です。
顎が痛むことはもちろん、口を開閉するのが難しくなったり、開閉時に異常な音が鳴ったりします。
また近年は、顎関節症の発症率が非常に高まっています。
今回はこちらの理由を中心に解説します。
顎関節症の発症率について
顎関節症は、厄介な疾患でありながら、非常に発症率が高いです。
一生のうちに、日本人の約2人に1人は発症すると言われています。
実際の患者数については、国内で1,900万人と推計されています。
こちらは、日本顎関節学会によって発表されているデータです。
特に20~30代の若い女性に多く見られ、また中高年で再び増加する傾向があります。
もちろん男性の発症も多く、症状が出た場合は歯科クリニックでナイトガードなどの治療を受けなければいけません。
スマホやパソコンの利用増加が顎関節症の発症率を高めている
近年顎関節症の発症率が高まってきている理由の一つに、スマホやパソコンを利用する機会が増えたことが挙げられます。
スマホを使用する際は、前傾姿勢で下を向くことが多く、こちらはスマホ猫背と呼ばれます。
常に下を向いているため、顎関節にかかる負担が大きくなり、顎関節症の発症にもつながりやすいです。
またパソコンも同じであり、使用時は基本的に少し下を向いた状態になるため、顎関節にとっては良くありません。
ちなみにパソコンについては、長時間同じ姿勢でいることにおり、無意識のうちに上下の歯が触れ合い、食いしばりにつながるリスクも高いです。
マスクを装着する機会が増えたのも原因の一つ
顎関節症の発症率が高まっている原因の一つに、マスクをする機会が増えたことも挙げられます。
コロナ禍以降、外に出るときは必ずマスクをするという方も多いですが、マスクをしていると呼吸がしづらくなります。
そのため、口を開けて呼吸をする機会が増え、顎の筋肉が不安定になるケースが増加しました。
またマスクをずらすとき、手を使わずに顎で顔を動かすことによっても、顎関節には負担がかかります。
さらにマスクの圧迫感や息苦しさから来るストレスが、歯ぎしりや食いしばりの誘因となることも考えられます。
まとめ
冒頭でも触れた通り、顎関節症はとても厄介な疾患です。
完治させるにはさまざまなプロセスが必要であり、治療期間も長引く可能性が高いです。
そのため、症状が出始めてから対処するのではなく、普段から顎関節症の予防に力を入れることが大切です。
特にスマホやパソコン、マスクを使用する際には、顎関節症予防