失明とは、簡単にいうと目が見えなくなってしまう状態をいいます。
正確には、光をまったく認識できない状態を完全失明といい、日常生活に支障をきたすほどの視力低下を社会的失明といいます。
社会的失明の定義は、視力が良い方の眼の矯正視力が0.05未満になることです。
今回は、虫歯と失明の関係性について解説します。
虫歯と失明の関係性
虫歯が直接的な原因で失明に至るケースは稀ですが、間接的にこれらの疾患が関係することは考えられます。
歯の痛みと目の痛みは、同じ神経である三叉神経でつながっています。
虫歯が進行して神経に達すると、目の奥やこめかみに痛みを感じることがあり、こちらは関連痛と呼ばれるものです。
こちらは視力に直接影響するものではありませんが、虫歯が重症であることを示しています。
細菌感染の波及が目に影響することも
重度の虫歯や歯周病を放置すると、細菌が血流に乗ったり、周囲の組織から広がったりして、深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。
例えば上顎の虫歯が原因で副鼻腔に炎症が広がると、目の周りの痛みや腫れを引き起こすことが考えられます。
また細菌が脳に達した場合、脳腫瘍や脳出血などの命に関わる疾患を引き起こす可能性があります。
こちらは結果として、視覚障害を含むさまざまな神経学的障害を引き起こすことがあります。
さらに、虫歯菌や歯周病菌は糖尿病などの生活習慣病とも関連があります。
糖尿病の合併症である糖尿病網膜症は、進行すると失明の主要な原因となるため、注意が必要です。
失明を防ぐにはそもそも虫歯を発症させないことが大切
少しでも失明のリスクを減らしたいのであれば、そもそも虫歯を発症させないことが大切です。
例えばフッ素入りの歯磨き粉を使用し、1日2回以上丁寧にブラッシングをしましょう。
また歯ブラシだけでプラークは除去できないため、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日使用し、歯間の汚れを除去することも大切です。
もちろん糖分や間食の制限、よく噛むといった食生活の改善も必要です。
ちなみに一切症状がなくても、歯科クリニックの定期検診でプロフェッショナルなクリーニングを受けることが推奨されます。
まとめ
ここまでご覧いただいた方にはわかっていただけたかと思いますが、虫歯と失明には意外な関係性があります。
そのため、虫歯を放置している方は、今後失明の可能性があることを自覚しなければいけません。
もちろんそのリスクは低いかもしれませんが、100%ないとは言い切れない以上、放置するのはとても危険です。
たとえある程度放置しても、歯科クリニックでは優しく対応してくれるため、勇気を出して通院しましょう。

