歯周病は多くの疾患と関連性があることで知られているため、放置していると非常に危険です。
言い換えれば、歯周病をキッチリ治療していれば、さまざまな疾患のリスクを軽減させられるということです。
今回は、歯周病とヘモグロビンの関係性について解説します。
歯周病がHbA1cに与える影響
歯周病によって口内に炎症が起こると、炎症性物質が血液を通じて全身につながり、インスリンの働きを妨げます。
こちらの現象はインスリン抵抗性と呼ばれるものです。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を反映する指標で、血液中のヘモグロビンとブドウ糖がどれくらい結合しているかの割合を示します。
歯周病治療を行うことで、HbA1cは平均約0.4~0.7%改善するという報告があります。
また最近の研究では、歯周病が血糖値の日内変動を乱し、糖尿病の管理を困難にすることが示されています。
糖尿病(HbA1c)が歯周病に与える影響
血糖値が高い状態つまりHbA1cの高値が続くと、身体の免疫機能が低下し、歯周組織の修復能力も衰えるため、歯周病が重症化しやすくなります。
例えばHbA1cが6.5%の糖尿病患者は、健常者と比べて歯周組織が破壊されるリスクが約1.17倍高まるとされています。
また抜歯などの出血を伴う処置を行う際、感染症リスクを抑えるためには、HbA1cが7.0未満にコントロールされていることが望ましいと考えられています。
検査におけるヘモグロビンについて
歯科クリニックなどでは、歯周病リスク検査というものが行われることがあります。
こちらは唾液中に含まれるヘモグロビンを測定することで、肉眼では見えない歯茎からの出血を確認し、歯周病の早期発見に役立てるというものです。
自覚症状が一切ない方であっても、歯周病リスク検査を受けてみた結果、歯周病だと判断されるケースは数多くあります。
この歯周病リスク検査とスケーリングやルートプレーニングを併用することで、歯周病が悪化するリスクは大幅に減少します。
また激しい歯周病による慢性的な出血や炎症は、鉄分の吸収や赤血球の生成に悪影響を及ぼし、結果として貧血を誘発する可能性も指摘されています。
まとめ
歯周病とヘモグロビンは、切っても切れない関係性にあります。
歯周病はHbA1cの増減に関係していますし、逆にHbA1cが歯周病を重症化させてしまうケースもあります。
さらに、歯周病リスク検査においては、ヘモグロビンの数値がとても重要になります。
日頃から1日2回以上のブラッシング、スケーリングなどの歯周病治療を受けていれば、これらのリスクについてそこまで考える必要はなくなります。

