管楽器には、サックスやフルートなどの木管楽器と、トランペットやトロンボーンなどの金管楽器があります。
どちらも吹奏楽やオーケストラで広く使用されているものですが、これらの演奏には虫歯のリスクが伴います。
今回はこちらの主な理由について解説します。
演奏中の口内の乾燥
管楽器、特にフルートやトランペットなどの呼気を激しく使う楽器は、演奏中に大量の空気が口内を通り抜けるため、口腔内が非常に乾燥しやすくなります。
唾液には自浄作用を初め、虫歯を予防するための重要な役割がいくつもあります。
しかし演奏によって唾液が蒸発し、口内が乾燥状態になると、これらの防御機能が失われてしまいます。
バリアがない状態で細菌が繁殖しやすくなり、少しの磨き残しからでも急速に虫歯が進行してしまう環境がつくられます。
特に長時間の練習や本番ステージでは、この乾燥状態が長く続くため注意が必要です。
糖分を含む飲料によるダラダラ飲み
合奏の合間や休憩時間に、エネルギー補給としてスポーツドリンクや砂糖入りのコーヒー、甘いジュースを摂取する習慣がある奏者は少なくありません。
管楽器奏者は常に唇のコンディションを気にするため、一度に大量に飲むのではなく、喉を湿らせる程度に少しずつ、何度も飲む傾向があります。
これが“ダラダラ飲み”となり、口の中が常に酸性に傾く原因になります。
特に演奏中は前述の通り唾液が減少しているため、飲み物に含まれる糖分や酸を中和する力が弱まっています。
糖分が歯の表面に留まり続け、酸がエナメル質を溶かし続けることで、演奏の合間の何気ない水分補給が知らず知らずのうちに虫歯を誘発する大きな要因となってしまいます。
リードやマウスピースに付着した細菌の逆流
サックスやクラリネットなどのリード楽器や、金管楽器のマウスピースは、湿り気と体温によって細菌が繁殖しやすい環境にあります。
適切に洗浄や乾燥が行われていない器具には、虫歯菌を含む多くの雑菌がプラークのように付着します。
演奏中にこれらの細菌が唾液と共に口内に戻ったり、楽器を媒介して歯の隙間に押し込まれたりすることで、虫歯のリスクが増大します。
また演奏に集中するあまり、練習後に歯を磨かずに軽食をとったり、そのまま寝てしまったりする疲れも影響します。
つまり楽器という外部の細菌源と、演奏による口内環境の変化が組み合わさることで、一般的な生活よりも虫歯菌が定着・増殖しやすい状況が生まれてしまうということです。
まとめ
管楽器の演奏は、趣味で行っている方もいれば、職業として行っている奏者の方もいるでしょう。
どちらにも言えることは、避けられないリスク以外は意識して避けなければいけないということです。
例えば演奏の合間に摂取する飲料の問題や器具の清掃については、すぐにでも対策を取ることができるため、演奏する機会が多い方はぜひ採り入れてください。

