ブラッシングは、虫歯予防における基本中の基本です。
しかし、ブラッシングを面倒に感じてしまい、この基本中の基本すら実践できていないという方は多いです。
では、なぜ人はブラッシングを面倒に感じるのでしょうか?
今回は、こちらの点について解説します。
手順やルールが多くて複雑
ブラッシングには、さまざまなルールが存在します。 例えば“歯と歯茎の境目に45度の角度で当てる”、“小刻みに軽い力で1本ずつ振動させるように磨く”といったルールです。
ただでさえ疲れている時間帯に、これらの細かい手順を意識しながら頭を使って丁寧に実践しようとすると、脳に大きな認知的負荷がかかります。
適当に行えば虫歯リスクが高まり、真面目にやろうとすると神経を使うというジレンマの中で、作業が“気楽にできること”から“義務としてのタスク”へと変わってしまいます。
ルールに縛られて一挙手一投足をコントロールしなければならない息苦しさが、心理的負担を爆発的に高めます。
他の作業を中断される
ゲームの世界に没頭しているとき、お気に入りの動画やドラマを観ているときなど、趣味の時間を切り上げて歯磨きへ移行しなければならない瞬間、強い心理的抵抗が生まれます。
快楽物質が分泌されている脳にとって、その快適な状態を強制的に中断され、義務的でつまらない洗面所での作業へと引き戻されるのは大きなストレスです。
この楽しい時間から退屈な時間への落差が激しければ激しいほど、ブラッシングに対する嫌悪感や理不尽なまでの面倒くささが倍増します。
やりたいことを邪魔する最大の障害物として歯磨きが立ちはだかるため、心理的な拒否反応が最大化するのです。
空間の移動が億劫
ブラッシングを行うためには、多くの場合、今いる居心地の良い部屋を出て洗面所などの特定の場所へ移動する必要があります。 特に冬の寒い時期に、冷え切った誰もいない洗面所に移動して冷たい水で口をゆすぐという行為は、肉体的にも精神的にも非常に強い苦痛を伴います。
またソファに座ってリラックスしている状態から立ち上がり、わざわざ環境の悪い場所へ足を運ぶという移動のコストそのものが、行動を妨げる巨大な壁になります。
現在の快適な空間から一歩も動きたくないという本能的な欲求が、歯磨きを開始するハードルを何倍にも引き上げ、「行くのが面倒だから後でいいや」となってしまいます。
まとめ
ブラッシングはとても面倒なものですが、だからといってサボっても良いというわけではありません。 患者さんがどのような状態であっても、基本的には毎日丁寧にブラッシングを行う必要があります。 もちろん、そのブラッシングは正しい方法でなければ意味がないため、歯科クリニックでブラッシング指導を受けることも大切です。

