お酒好きな方にとって、日々の晩酌はとてもリラックスできる大切な時間です。
アルコールによるほろ酔い状態は、人を気持ち良くさせるだけでなく、ストレス解消などにもつながります。
しかし、虫歯予防の観点から見るとお酒は決して良いものではありません。
今回は、お酒と虫歯の意外な関係について解説します。
強い酸性が歯を直接溶かす
お酒の危険性は糖分だけではありません。
ワインやサワー、レモンチューハイなどは、それ自体が非常に強い酸性を示します。
特に柑橘系のフレーバーや炭酸が含まれるお酒はpH値が低く、歯の臨界pHである5.5を大きく下回ることが珍しくありません。
これらを頻繁に口にしていると、虫歯菌が酸を作らなくても、お酒の酸そのものが歯の表面を物理的に溶かしていきます。
この現象は酸蝕症と呼ばれます。
酸蝕症によってエナメル質が薄くなると、歯の強度が著しく低下します。
その結果、虫歯菌の出す酸に対して非常に脆くなり、あっという間に深い虫歯へと進行してしまいます。
酔いによるブラッシングのサボり
お酒を飲んで気分が良くなったり、強い眠気に襲われたりすると、就寝前のブラッシングがおろそかになりがちです。
「今日は疲れたから明日磨けばいいや」とそのまま寝てしまったり、酔った状態で適当に歯をこするだけで終わらせたりする経験は誰しもあるでしょう。
しかし、これこそがもっとも危険な状態です。
口内にお酒の糖分や食べカスが残ったまま眠りにつくと、夜間の唾液分泌量の低下も相まって、虫歯菌が驚異的なスピードで増殖します。
一晩の歯磨きサボりが、それまで続けてきた予防ケアをすべて台無しにするほどのダメージを歯に与えます。
嘔吐による強烈な胃酸の歯面破壊
お酒を飲みすぎて急性アルコール中毒のような状態になったり、胃腸が荒れたりすると、嘔吐してしまうことがあります。
このときに吐き出される胃液は、pH1〜2という信じられないほど強力な塩酸です。
お酒の酸や虫歯菌の酸とは比較にならないほどの強烈な酸が、一瞬にして口の中を満たし、歯の表面のエナメル質を直接、そして激しく溶かしてしまいます。
お酒を飲んで嘔吐する習慣が頻繁にある方は、歯の裏側や噛み合わせの面が驚くほど溶けて薄くなります。
このように胃酸でダメージを受けた歯は極めて脆く、少しの虫歯菌の活動でも一気に歯の深部まで破壊されてしまうため、非常に危険な状態と言えます。
まとめ
お酒は糖分が多かったり、利尿効果があったりとすることで、虫歯のリスクを高めやすいです。
またその他にも、前述したような虫歯を予防するにあたっての大きな障壁を生み出してしまう原因になります。
そのため、頻繁に飲んでいる方は、可能な限り飲酒量を減らすことをおすすめします。
虫歯予防を徹底したい方は、禁酒するのがベストです。

